DX化とは？Amazonの具体例も含めた方法を紹介【中小企業診断士監修メディア：merumeta（めるめた）】

近年、耳にすることが多くなったDX。新型コロナウイルス感染症の流行や、「デジタル庁」の創設などにともない、旬のキーワードとして注目されています。
当記事ではDXの意味やIT化との違いを解説。「そもそもDXがいまいちわからない」という方に向けてDXの基本をご説明します。

DXとは「デジタル化による社会や生活の変化」
- 「DX」と表す理由
DXとIT化の違い
DXの成功例「Amazon」
中小企業・小規模事業者がDXを進める方法
デジタル化に活用できる補助金
DXの重要ポイントのおさらい

DXとは「デジタル化による社会や生活の変化」

DX（デジタルトランスフォーメーション）は「デジタル」と、「変化・変形・変容」などを意味する「トランスフォーメーション」を組み合わせた言葉です。2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマンという大学教授が提唱した論文が起源だといわれています。

ストルターマンはDXを「IT（情報技術）の浸透が、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」と定義付けました。2022年現在では、すでにこの定義のとおり「デジタル化による社会やライフスタイルの変化」を感じられると思います。
日本においても、DXは他国や他企業との競争上の優位性を保つために重要であると考えられています。「デジタル庁」が設置されたのも、国を挙げてデジタル改革を進めるための取り組みのひとつです。

「DX」と表す理由

デジタルトランスフォーメーションの頭文字を取るならば、本来「DT」と表すべきです。しかし、すでにプログラミング用語に「DT（definition term）」があり、混在の懸念があるため「Trans」という接頭辞を「X」と表現する英語圏の慣習により「DX」と省略されるようになりました。
トランスフォーメーションとは「変化・変形・変容」を意味し、直訳すると「デジタルによる変化」となります。

DXとIT化の違い

DXとIT化の定義に明確な違いはありませんが、ビジネスにおいて以下のような使い分けをされるケースが多いようです。

▼ビジネスにおけるDXとTI化の違い

意味	DX	IT化
意味	デジタル化による変化	デジタル化
効果	業務・組織・ビジネスモデルなどの変革	ITツールの導入なデジタル技術の活用などによる効率化
役割	戦略	戦術

DXはデジタル化による変化や変革が伴う場合に該当します。
業務の効率化のために顧客や在庫の管理に表計算ソフトや業務用アプリなどを導入することはIT化にあたり、その結果、社員間でフィードバックをしたり、働き方が変化したりすることで「組織の変革」が起こればDXにあたると考えられるでしょう。

DXの成功例「Amazon」

DXの世界的な成功例で挙げられるのが「Amazon（アマゾンドットコム）」です。Amazonはもともと書籍の販売をメインとしたECサイトとして誕生しました。しかし、現在では電化製品や家具、生活用品などありとあらゆるものが購入できるようになっています。

Amazonが社会にもたらしたDXは消費者行動の変革です。Amazonでさまざまな商品が購入できるようになる前までは、「店舗に買い物に行く」という行動が常識でしたが、デジタル化により、インターネットで注文して自宅に届くという仕組みを広く浸透させたのです。
他のECサイトと比べた場合のAmazonにおける競争上の優位性は、ワンクリックで購入できる機能やレコメンド機能の導入。レコメンド機能とは、商品ページに「この商品を買った人はこんな商品も買っています」「よく一緒に購入されている商品」などを表示するものです。
これらの機能をいち早く導入することにより、インターネットの買い物をより手軽にし、店舗での販売員のサジェストのような効果もデジタル化することに成功しています。