単回帰分析とは、1つの要素から結果を予測する統計手法です。単回帰分析は「Y＝aX+b」の方程式で表します。
この記事では単回帰分析について解説しています。エクセルを使った単回帰分析のやり方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
単回帰分析とは1つの要素から結果を予測する統計手法
単回帰分析とは、1つの要素から結果を予測する統計手法です。単回帰分析では結果を「目的変数」、結果に関連する要素を「説明変数」と言います。
例えば単回帰分析を使用すると「最高気温（説明変数）が何度のとき、アイスの売り上げ（目的変数）はいくつか」などを予測することが可能です。
単回帰分析の目的変数と説明変数の関係は「Y=aX+b」の方程式で表します。Yは目的変数、Xは説明変数、aとbは係数です。先ほどのアイスの例を使用すると「アイスの売上予測個数＝a×最高気温＋b」となります。
aとbの係数は、要素と結果のデータを用意し、エクセルを使用することで簡単に求めることが可能です。
単回帰分析をエクセルで行う方法
単回帰分析をエクセルで行う方法には、グラフを使用する方法とデータ分析機能を使う方法があります。
単回帰分析をエクセルで行う方法1
グラフを使用する方法
手順1.目的変数と説明変数のデータを用意し、散布図を作成する
左側に説明変数、右側に目的変数を並べた状態で散布図を作成します。縦・横の軸は見栄えがよくなるように書式設定で調整しましょう。
手順2.データを右クリックして、「近似曲線の追加」を選択
手順3.近似曲線の書式設定にある「グラフに数式を表示する」のチェックを入れる
グラフに表示された数式が、係数aとbが代入された単回帰分析の一次方程式です。今回の例では、「Y＝4.0184X – 52.537」となりました。
実際に計算式を利用してみると、最高気温35℃の場合のアイスの予想売上個数は「Y＝4.0184×35 – 52.537」の式で求めることができ、結果は約88個となります。
単回帰分析をエクセルで行う方法2
データ分析機能を使用する方法
手順1：「データ」タブの「データ分析」を開き、「回帰分析」を選択する
手順2：「入力Y範囲」に目的変数のデータを、「入力X範囲」に説明変数のデータを範囲指定で入力。「ラベル」にチェックを入れてOKをクリック。
手順3：出力されたデータを確認する
別シートに出力されたデータの内、係数の欄が数式で使用する値です。最高気温係数がa、切片係数がbとなるため、今回の単回帰分析の数式は「Y=4.0184X-52.537」となります。
データ分析を使用した場合は「重決定R2」にも注目してみましょう。重決定R2は「決定係数」もしくは「寄与率」とも呼ばれる数値です。目的変数を説明変数で説明できる割合を示しており、数値が1に近いほど分析精度が高いことを表します。
単回帰分析と重回帰分析の違い
回帰分析には、単回帰分析のほかに重回帰分析があります。重回帰分析は、複数の説明変数から目的変数を予測する分析手法です。大きな違いは使用する説明変数の数で、重回帰分析は単回帰分析より多くの種類の説明変数を使用して分析を行います。
重回帰分析の解説ややり方は「重回帰分析とは？エクセルでのやり方やデータの見方」をご確認ください。
単回帰分析の重要ポイントのおさらい
- 単回帰分析とは、1つの要素から結果を予測する統計手法
- 単回帰分析はエクセルで行うことができる
- 単回帰分析と重回帰分析では、使用する説明変数の数が異なる
単回帰分析は売上の予測などに活用できます。ただし、売り上げなどの結果は多くの要素が関係するため、マーケティングでは重回帰分析が使用されるケースが多いです。事前に結果に関わる要素の数を予測し、単回帰分析と重回帰分析をうまく使い分けましょう。
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監修者株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン～スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング
この記事を書いた人
杉本 直哉
自動車部品メーカーに11年務めたのち、WEBライターとして独立しました。執筆経験のあるジャンルは自動車・商品紹介メディア・無線通信・金融など。ファクトチェックを徹底し、正しい情報を伝えられるよう心がけています。趣味はコーヒーの焙煎、ゲーム、スノーボードなど。
