コアコンピタンスとは?ケイパビリティとの違いは?【中小企業診断士監修メディア:merumeta(めるめた)】

新着
新着用語集

コアコンピタンスとは競合優位性となる自社の中核を担う要素のことです。コアコンピタンスを確立することで、自社だけにしかない技術により顧客へ利益をもたらすことができます。
この記事ではコアコンピタンスの意味や例について解説していきます。

コアコンピタンスとは

コアコンピタンスとは「競合他社には真似できない、自社の核となる能力」のこと。G・ハメルとC・K・プラハラードの著書『コア・コンピタンス経営』によって定義された概念です。
以下の3つの条件すべてを満たしていれば、コアコンピタンスに該当する能力になると考えられています。

  • 顧客になんらかの利益を与えられる自社能力
  • 競合に模倣されにくい自社能力
  • 複数の商品・市場に応用できる自社能力

自社のコアコンピタンスを確立することで、自社が関わる業界のなかでの優位性が保たれ、収益確保が見込めます。さらに、自社ならではの能力を追求することにより革新的な技術が生み出され、顧客への利益をもたらすことができるでしょう。

コアコンピタンスとは
コアコンピタンスの例

企業はどのようなコアコンピタンスを確立しているのか、具体的な例を参考にご紹介します。

  • ホンダ:低公害技術を駆使した「CVCCエンジン」の開発
  • シャープ:液晶ディスプレイの開発
  • トヨタ:サプライチェーンの最適化によるトヨタ生産方式の確立
  • 富士フイルム:カメラの技術を応用した医療用品やスキンケア化粧品の開発

コアコンピタンスとケイパビリティの違い

自社の強みを表す言葉として「コアコンピタンス」のほかに「ケイパビリティ」を耳にすることもあるでしょう。
コアコンピタンスとケイパビリティの違いは「バリューチェーン」との関わり方に注目するとわかりやすいかもしれません。バリューチェーンとは、事業に関する各業務の活動を「価値の連鎖」として捉える考え方で、フェーズごとの価値に着目し、改善を図ることを表します。

コアコンピタンスバリューチェーン上における技術力や製造能力
ケイパビリティバリューチェーン全体に及ぶ組織力

コアコンピタンスは、バリューチェーンのなかのいずれかひとつのフェーズに関する特定の強みのことで、ケイパビリティはすべてのプロセスに対して横断的に関連する強みを表すケースが多く見られます。

コアコンピタンスの重要ポイントのおさらい

  • コアコンピタンスとは競合には真似できない自社だけの技術や能力のこと
  • 顧客への利益をもたらすことや複数の商品に応用できることも条件
  • コアコンピタンスとケイパビリティの違いはバリューチェーンとの関係性

コアコンピタンスは競合に対して、自社の優位性を確保するために重要な要素です。自社の技術や能力からコアコンピタンスになるものを見つけることで、業界における唯一の存在として顧客に利益をもたらせるかもしれません。

経営の悩みや補助金の活用について、詳しく知りたい方はこちら

監修者

株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一

株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン~スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング

この記事を書いた人
箱田 かの

飲食業や小売業、ワーキングホリデーなどを経て、現在はWEBライター歴5年以上になりました。執筆経験のあるジャンルはIT系求人・アパレル・商品紹介メディア・自動車・金融など。 石橋を叩いて壊すほど心配症なおかげで身についたリサーチ力とネットリテラシーが今の仕事を支えています。趣味は音楽とお酒です。

タイトルとURLをコピーしました