ジョブローテーションとは、人材育成を目的とした職務・部署異動です。社員の能力向上を主な目的として行われ、幅広い分野に対応できるジェネラリストの育成に適しています。
この記事では、ジョブローテーションについて詳しく解説。人材育成に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ジョブローテーションとは人材育成を目的とした期間を定めた職務・部署異動
ジョブローテーションとは、人材育成を目的とした期間を定めた職務・部署移動です。ジョブローテーションを通して社員はさまざまな業務を経験し、能力向上に加えて幅広い業務知識と経験を身に着けられます。
通常の人事異動と大きく異なる点は目的です。人事異動は社員の昇格・降格や配置転換、人員補充など組織活性化のためのものですが、ジョブローテーションは長期的な社員教育のみを目的としています。
また、人事異動は必要に応じて行われるのに対し、ジョブローテーションではさまざまな職務を経験させるため、一定期間で繰り返し行われることが多いのも特徴です。
ジョブローテーションのメリット
ジョブローテーションには、以下のメリットがあります。
ジョブローテーションのメリット
- 社員の適性を判断できる
- 社員の視野が広がり、社内業務への理解も深まる
- 部署間の交流により連携がしやすくなる
- 業務の属人化を防げる
ジョブローテーションでは実業務を通して社員の適性を判断できます。適材適所の配置やキャリアプランの開拓にもつながるため、企業側・社員側共に大きなメリットと言えるでしょう。また、さまざまな業務を担当することで、ジェネラリストとしての成長も見込めます。
社員の成長以外にも、部署間の連携がしやすくなるなど、仕事をより進めやすくなる環境を生み出す効果も期待できます。
ジョブローテーションのデメリット
ジョブローテーションには、以下のデメリットも存在します。
ジョブローテーションのデメリット
- 異動の際に生産性が低下する
- 専門的なスキルを伸ばしにくい
- 退職を助長する恐れがある
ジョブローテーションのデメリット
異動の際に生産性が低下する
ジョブローテーションによって職務・部署異動をした直後は、慣れない仕事でどうしても生産性が低下してしまいます。
十分に利益を上げられていない企業や部署では、負担となる可能性があるでしょう。
ジョブローテーションのデメリット
専門的なスキルを伸ばしにくい
ジョブローテーションは幅広い分野に対応できるジェネラリストの育成には適していますが、スペシャリストの育成には不向きです。
ジョブローテーションは、企業や部署にとってどのような人材が必要なのか見極めたうえで実施する必要があります。
ジョブローテーションのデメリット
退職を助長する恐れがある
ジョブローテーションのデメリットは社員にとってもストレスとなりえます。度重なる異動でうまく仕事ができない、思い描いていたキャリアを築けないなどの不満がたまれば、退職を助長してしまう可能性も。
とくにキャリアについては社員の人生を左右する可能性もあるため、慎重な話し合いの元ジョブローテーションを実施するか検討した方がよいでしょう。
ジョブローテーションの重要ポイントのおさらい
- ジョブローテーションとは、社員教育を目的とした戦略的な職務・部署異動
- ジョブローテーションのメリットは、ジェネラリストとしての人材育成やキャリアプランの開拓など
- ジョブローテーションのデメリットは、異動時の生産性低下や社員のストレス増加など
ジョブローテーションは、実施すれば必ず効果が出るとは限りません。場合によってはデメリットの方が強くなり、人材を育てるつもりが逆に退職を助長して人材不足に陥る可能性もあります。社員としっかりとコミュニケーションを取り、企業と社員の双方が満足できるジョブローテーションを目指しましょう。
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監修者株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン～スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング
この記事を書いた人
杉本 直哉
自動車部品メーカーに11年務めたのち、WEBライターとして独立しました。執筆経験のあるジャンルは自動車・商品紹介メディア・無線通信・金融など。ファクトチェックを徹底し、正しい情報を伝えられるよう心がけています。趣味はコーヒーの焙煎、ゲーム、スノーボードなど。
