小規模事業者の経営に関する悩みをサポートする小規模事業者持続化補助金。補助金の枠には種類があり、公募ごとに変わるのでどういったものがあるか把握しておくことが重要です。
当記事では小規模事業者持続化補助金の意味や2022年度の特徴を解説します。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓や生産性の向上などに関連する取り組みに対して支援するものです。
2022年現在以下の5枠があり、幅広い用途に活用できる補助金として注目されています。
類型 | 概要 |
---|---|
通常枠 | 小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援 |
賃金引上げ枠 | 販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者 ※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げるとともに加点を実施 |
卒業枠 | 販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者 |
後継者支援枠 | 販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた小規模事業者 |
創業枠 | 産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者 |
インボイス枠 | 免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者 |
2022年度の小規模事業者持続化補助金の特徴
小規模事業者持続化補助金は年度によって、特徴が異なります。2022年に変更された特徴のなかで代表的なものは以下のとおりです。
- 加点要素の追加
- 新枠の登場
2022年度の小規模事業者持続化補助金の特徴1
加点要素の追加
2022年9月現在の小規模事業者持続化補助金には、以下9つの加点項目があります。
加点項目 | 加点対象 |
パワーアップ加点 | 以下の事業計画を策定している事業者 ▼地域資源型地域資源等を活用し、良いモノ・サービスを高く提供し、付加価値向上を図るため、地域外への販売や新規事業の立ち上げを行う計画 ▼地域コミュニティ型地域の課題解決や暮らしの実需に応えるサービスを提供する小規模事業者による、地域内の需要喚起を目的とした取組等を行う計画 |
赤字賃上げ加点 | 賃金引上げ枠に申請する事業者のうち、赤字である事業者 |
経営力向上計画加点 | 中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている事業者 |
電子申請加点 | 補助金申請システムを用いて電子申請を行った事業者 |
事業承継加点 | 代表者の年齢が満60歳以上の事業者で、かつ、後継者候補が補助事業を中心になって行う場合 |
東日本大震災加点 | 東京電力福島第一原子力発電所の影響を受け、引き続き厳しい事業環境下にある事業者 |
過疎地域加点 | 「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」に定める過疎地域に所在し、地域経済の持続的発展につながる取り組みを行う事業者 |
災害加点 | 令和4年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震により災害救助法の適用を受け、再建が極めて困難な状況にある地域(宮城県、福島県(全94市町村))に所在する事業者 |
事業環境変化加点 | ウクライナ情勢や原油価格、LP ガス価格等の高騰による影響を受けている事業者 |
加点の付与を希望することで採択の可能性が高まります。加点を受けられそうな取り組みを行っている場合は積極的に申請してみましょう。
2022年度の小規模事業者持続化補助金の特徴2
新枠の登場
小規模事業者持続化補助金の通常枠の補助上限額は50万円までですが、2022年から、上限額200万円の新枠が登場しました。
2022年9月現在に発表されている枠は以下のとおりです。
類型 | 補助率 | 補助上限 |
通常枠 | 2/3 | 50万円 |
賃金引上げ枠 | 2/3(赤字事業者は3/4) | 200万円 |
卒業枠 | 2/3 | |
後継者支援枠 | ||
創業枠 | ||
インボイス枠 | 100万円 |
小規模事業者持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」について
小規模事業者持続化補助金の取り組みのなかには、2020年1月頃から流行しはじめた新型コロナウイルス感染症と事業継続の両立を目指す事業者を支援する「低感染リスク型ビジネス枠」があります。
顧客と従業員の対面接触機会を減少させるためのビジネスに投資する事業のことで、補助上限額100万円・補助率は3/4。採択されると以下の費用が補助対象になります。
- 機械装置等費
- 広報費
- 展示回答出店費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 専門家謝金
- 設備処分費
- 委託費
- 外注費
- 感染防止対策費
小規模事業者持続化補助金の重要ポイントのおさらい
- 小規模事業者持続化補助金は小規模事業者を対象とした補助金で、幅広い活用用途がある
- 年度によって公募される枠や加点項目が異なる
- 新型コロナウイルス感染症に関連する対策には「低感染リスク型ビジネス枠」がある
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者の経営のお悩みをサポートする補助金のひとつです。補助金申請に必要な事業計画の策定をする際は専門家に相談してみましょう。
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監修者
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン~スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング
この記事を書いた人
箱田 かの
飲食業や小売業、ワーキングホリデーなどを経て、現在はWEBライター歴5年以上になりました。執筆経験のあるジャンルはIT系求人・アパレル・商品紹介メディア・自動車・金融など。 石橋を叩いて壊すほど心配症なおかげで身についたリサーチ力とネットリテラシーが今の仕事を支えています。趣味は音楽とお酒です。
参考リンク
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_koubo.pdf