ABC分析とは、在庫管理などで利用されるデータ分析手法です。各データの割合から重要度別にAグループ・Bグループ・Cグループの3つに分け、なにを重点的に管理すべきかを明らかにします。
この記事では、ABC分析について解説。エクセルを使用したデータのまとめ方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ABC分析とはデータを重要度で分類して管理する分析手法
ABC分析とは、在庫管理などで利用されるデータを重要度で分類して管理する分析手法です。ABC分析では、売上金などの評価軸を定め、全体の70%までを占めるものをAグループ、70~90%までを占めるものをBグループ、残りをCグループと分けます。データの大部分を占めるAグループを重要視して管理します。
野菜の在庫管理を例に確認してみましょう。以下は各野菜の売上金と累積割合を示したパレート図です。
パレート図から、「ニンジン」「白菜」「玉ねぎ」の3品目の合計売上金が全体の約80%となっています。この3品目はABC分析ではAグループにあたり、在庫切れなどを起こさないよう最優先で管理する項目になります。
Bグループは現状維持で問題ありません。残りのCグループは全体に占める割合が少ないため、重要度は低めです。管理を緩めるか、場合によっては商品の入れ替えを検討してもよいでしょう。
エクセルを活用!ABC分析のまとめ方
ABC分析を行うときは、下図のように「評価したい項目(売上金など)」「項目の累計」「累計の割合」を表にまとめましょう。このとき、エクセルの計算機能や関数を利用すると、簡単に表を作成できます。
ABC分析 表の例
表の例を参考に、作り方の手順を確認してみましょう。
ABC分析表の作成手順
- 品目と評価項目(売上金)を降順に並べる
- ひとつめの品目の累計をSUM関数で算出する (例:=SUM(C,D2))
- ふたつめ以降の累計はオートフィル
(選択セルの右下をクリックして適用したい範囲にドラッグ)で入力する - ひとつめの累計割合を表計算する (例:=D3/$D$12)
(「$」をつけることでオートフィルを行う際、数値を固定することができます) - ふたつめ以降の累計割合は表計算をする
- ABC分析結果を入力する
ABC分析結果は、VLOOKUP関数を使用して入力もできます。下図のようにVLOOKUP関数を入力してから、データ範囲にオートフィルしましょう。
ABC分析の重要ポイントのおさらい
- ABC分析とはデータを重要度で3つに分類して、優先度を決めて管理する分析手法
- ABC分析のデータはエクセルの表計算・関数を使用すると効率よくまとめられる。
ABC分析を利用することで、なにを重点的に管理すべきか分かりやすくなります。重要項目を挙げて集中して取り組む考え方は業務改善でも役立つため、ぜひ活用してください。
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監修者
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン~スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング
この記事を書いた人

杉本 直哉
自動車部品メーカーに11年務めたのち、WEBライターとして独立しました。執筆経験のあるジャンルは自動車・商品紹介メディア・無線通信・金融など。ファクトチェックを徹底し、正しい情報を伝えられるよう心がけています。趣味はコーヒーの焙煎、ゲーム、スノーボードなど。