SDGsの目標と取り組みの紹介・問題点解説【中小企業診断士監修メディア:merumeta(めるめた)】

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「SDGs」とは世界で定められた開発目標です。この記事では、SDGsの意味と活動について解説しています。17個の目標や企業の取り組みの具体例、そしてSDGsが抱える問題なども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

SDGsとは持続可能な開発目標

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略語です。
SDGsは、2015年9月に開催された国連サミットで採択された、持続可能で多様性と包摂性のある社会を目指す国際目標です。地球上の誰一人取り残さないことを誓い、17のゴールを定めて世界各国で取り組みが行われています。

SDGsの17の目標

SDGsでは、2030年を年限とした17の目標を掲げています。

SDGs 17の目標

引用元:持続可能な開発のための2030アジェンダ

これらの目標を達成するためにも、世界中の国や企業、国民が一丸となってSDGsに取り組むことが重要です。
17の目標には合計169のターゲットと232の指標が決められており、具体的なアプローチ先が定められています。外務省が公開する「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて確認できるので、興味のある方は確認してみてください。

2030アジェンダ | 国連広報センター
※2019年8月付で、SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドラインが改定されました。※よくある質問(FAQ)を2020年7月に追加しました。» SDGs...

SDGsの取り組みや具体例

日本ではSDGsに取り組む指標として「SDGsアクションプラン2022」を打ち出しています。SDGsアクションプランは毎年検討されており、2022年は5つの重点事項を掲げています。

SDGsの取り組みや具体例
SDGsアクションプラン2022概要

・People 人間:感染症対策と未来の基盤づくり
6月までに可能な限り早く「グローバルヘルス戦略」を策定。女性活躍・男女共同参画の取り組み、子どもや子育て世代の視点に立った政策を推進する。

・Prosperity 繁栄:成長と分配の好循環
「デジタル田園都市国家構想」の実現、および複数の地方公共団による脱炭素化やデジタル化を支援する。

・Planet 地球:地球の未来への貢献
クリーンエネルギー戦略と海洋プラスチックごみ対策の策定・推進をする。

・Peace 平和:普遍的価値の遵守 
「 第8回アフリカ開発会議(TICAD)」を通じ、日本の取り組みを推進する。

・Partnership パートナーシップ:絆の力を呼び起こす
幅広いステークホルダーや、国内外のあらゆる分野の関係者と意見交換を進める。

また、SDGsの達成に関して優れた取り組みを行う企業・団体を表彰する制度「ジャパンSDGsアワード」も実施しています。

SDGsの取り組みや具体例
具体的な企業の取り組み

具体的なSDGsの取り組みとして、第5回ジャパンSDGsアワードにて本部長(内閣総理大臣)賞を受賞した、株式会社ユーグレナの活動を確認してみましょう。

主な取り組み内容の例

  • バングラデシュにて、貧困農家に緑豆の栽培ノウハウを伝授
  • 収穫した緑豆を相場より高い価格で購入することで雇用創出と所得増に貢献
  • 買い取った緑豆の半分は日本へ輸出、半分は現地にて原価で販売することで、継続的かつ自律的な支援体制を確立
  • ミャンマー・ラカイン州からの避難民への食料供給・栽培指導

栽培ノウハウの伝授と持続的な支援体制の確立、避難民などの事業展開が難しい課題への取り組みなどが評価されています。詳しい内容やそのほかの企業の取り組みについては、「第5回ジャパンSDGsアワード受賞団体」を確認してみてください。

SDGsの問題点

SDGsはよりよい社会を目指すために重要な活動ですが、いくつか問題点も指摘されています。

SDGs 問題点の例

  • 掲げる目標が壮大すぎる
  • 数値指標の妥当性に疑問がのこる
  • 「質の高い教育」などは定義の捉え方が人により異なる
  • 事業内容によってはSDGsに取り組みにくい
  • 活動を公言するが実態が伴わない(SDGsウォッシュ)企業・団体が出てくる

SDGsの問題点は、目標と現実のギャップです。とくに重要となるのは、企業・団体に関わる問題点です。実際の活動に悪影響を与えてしまう可能性が高いため、対策が必要です。
例えば、企業の事業内容によってはSDGsに結びつけるのが難しい場合もあるでしょう。無理やり事業内容と関係ない活動に着手すると、本業とSDGsの活動、どちらも中途半端になってしまう恐れがあります。また、資金の少ない中小企業は余力がなく、SDGsに取り組みづらいケースもあります。

正しくSDGsの活動に取り組むためにも、それぞれの企業・団体で何ができるのか話し合うことが重要です。SDGsに関する教育や社内での具体的な目標設定など、社員の意識統一も必要となるでしょう。

SDGsの重要ポイントのおさらい

  • SDGsの意味は「持続可能な目標計画(Sustainable Development Goals)」
  • SDGsには17の目標が設定されている
  • 日本はSDGsの指標として「SDGsアクションプラン2022」を打ち出している
  • SDGsの問題点は目標と現実のギャップ

SDGsは世界をよりよくしていくために大切な目標です。実際に活動するのは難しい場合もありますが、それぞれ自社や各個人で何ができるのか考えることから始めていきましょう。

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監修者

株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一

株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン~スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング

この記事を書いた人
杉本 直哉

自動車部品メーカーに11年務めたのち、WEBライターとして独立しました。執筆経験のあるジャンルは自動車・商品紹介メディア・無線通信・金融など。ファクトチェックを徹底し、正しい情報を伝えられるよう心がけています。趣味はコーヒーの焙煎、ゲーム、スノーボードなど。

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