企業は規模によって、中堅企業、中小企業、大企業などさまざまな呼称があります。法律で明確に定義づけられているのは中小企業のみ。そのほかは定義がなく曖昧です。今回は「中堅企業」について解説します。中堅企業が定義づけられている補助金を参考にした例もあるのでぜひ参考にしてみてください。
中堅企業とは
中堅企業は、企業の規模を指す言葉です。大企業よりも小規模で、中小企業よりも大規模な経営を行っている企業のことをいうケースが多いですが、中堅企業について明確に定義づける法律等は2022年現在、存在しません。
企業の規模による分類で定義があるものは中小企業のみです。中小企業は「中小企業基本法」により規模が定められています。まずは定義が明確な中小企業について見てみましょう。
企業の規模は一般的に資本金と従業員の人数で比較されます。
業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
引用元:中小企業庁
上表の数値を超える場合は、中堅企業や大企業に分類される可能性があります。政府や自治体が実施する補助金等では、補助の対象を区分するために「中堅企業」を定義づけている場合があるので参考にしてみましょう。
事業再構築補助金における中堅企業の定義
経済産業省が実施する「事業再構築補助金」では、中小企業と中堅企業によって、補助金の上限や補助率が異なるため、独自の定義が定められています。事業再構築補助金で明示されている中堅企業の定義は以下のとおりです。
【中堅企業の範囲】中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社 |
「中小企業の範囲」は「中堅企業とは」の項目で紹介した定義と同様です。
事業再構築補助金について詳しくは「事業再構築補助金とは?中小企業等の新しい挑戦をサポートする制度」をご覧ください。
中堅企業の重要ポイントのおさらい
重要ポイント
- 中堅企業について明確な定義づけはない
- 一般的には大企業と中小企業の中間の資本金の企業を中堅企業と呼ぶ場合が多い
- 事業再構築補助金では、中小企業の範囲以上で資本金が10億円未満と定義づけられている
中堅企業は法律等で定義づけられていないため、使用されるシーンによって意味が異なる場合があります。補助金などの申請で自社が該当するか迷う場合は、対象となる企業の規模について説明がないか確認してみましょう。
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監修者
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役
中小企業診断士
白川 淳一
株式会社はじまりビジネスパートナーズ 代表取締役 ・食品メーカー 大手スーパー担当営業、商品の仕入交渉、輸入交渉、委託生産先の管理、子会社役員などライン~スタッフまで全般業務を経験 ・広告代理店系列 データ分析会社、消費者の購買データの分析、商品開発や営業向け用データマーケティングのコンサルティング
この記事を書いた人
箱田 かの
飲食業や小売業、ワーキングホリデーなどを経て、現在はWEBライター歴5年以上になりました。執筆経験のあるジャンルはIT系求人・アパレル・商品紹介メディア・自動車・金融など。 石橋を叩いて壊すほど心配症なおかげで身についたリサーチ力とネットリテラシーが今の仕事を支えています。趣味は音楽とお酒です。